博物館の通路壁面には,「魚竜」化石の標本が一面に展示されていました.
ドイツ,ゾルンホーフェン (Solnhofen) 博物館
ゾルンホーフェンからは,極めて保存状態の良い魚類,甲殻類,昆虫類,植物,生痕 (生物の這い跡等) などのジュラ紀の化石が豊富に産することで有名です.博物館ではそこから産出した多種多様な化石の展示を見ることができます.ゾルンホーフェンを特に有名にした,「始祖鳥」の化石は,現在はロンドン自然史博物館,ベルリンの博物館で見られるそうです.ゾルンホーフェンの特異的な化石の保存は,「シアノバクテリアのマット」が死骸を包み込むカプセルとして働いたことと関係があるそうです.
博物館の周りの採石場では,実際に化石の採集が楽しめます.化石を産する石灰岩は細粒のミクライト質石灰岩で,ハンマーでたたくと薄く剥がれ,そこに化石を見つけることができます.実際,2-3時間の観察の間に魚類化石を見つけた人もいました.
(参考文献) 世界の化石遺産,鎮西清高訳,朝倉書店.
北京大学付属地質博物館
北京大学新地学楼の一階にある博物館です.新地学楼は,北京大学の東門を入ってすぐにあります.
この6月に,北京大学の付属地質博物館の地下2階の展示がオープンになるそうです.先日,地下2階の準備風景を見学させていただきました.こちらには,5m以上はある魚竜化石,3-5 mくらいのウミユリの密集化石等が展示されています.規模,保存の良さだけでなく,展示の数にも圧倒されます.
展示でもっとも目を引くのが,2-3mの大きさの魚竜化石の複数の展示です.貴州省のトリアス紀からの「魚竜化石」だそうで,北京大学地球与空間学院の先生方の研究成果として展示されています.